私の数学遍歴:結論として「アレコレ手をつけて未だモノにならず」

・高校1年の夏休みは、矢野ケンの幾何の問題集を全部解いた。

・図書館で「教師のための数学講座」を読みだして、問題の別解などを考えていた。

・当時、学校では習わない集合論や行列というのものを知って、学問の奥行きを垣間見たようで、数学に一層惹かれていった。

・高2の夏休み、信州・藪原のロッジに1か月滞在しているとき、大学院で理論物理を研究している人と出会い、毎日のようにその面白さを聞いた。

・「方程式を立てて解くことで自然が解明される」ことの素晴らしさに理論物理へ指向。

・人生一度、どうせやるなら一番難しそうなことを、ということで素粒子理論を志す。

・これは数学の塊といっていい。

・以来、「かじった」数学は数多あれど、いまだにモノになった気がしない。

大学では 解析学、線形代数、微分方程式論、複素関数論、微分幾何(リーマン幾何)

卒研では、幾何学の教授にマンツーマンでリーマン幾何を教えてもらった。

後に一般相対論を勉強するとき大いに役立った。

大学院では、公理論的場の理論などというものに惹かれ、数学ジャングルに入り込む。

岩波書店の数学辞典を読み漁ったのはその頃

群論、多変数関数論、微分幾何、量子力学の基礎となる環論、整数論少し、結び目理論少し

・超弦理論では新しい数学がいくらでも使われる。

・道具としての数学の勉強をしている間にも世界はどんどん進んでいるように見える。

・でも、昔から、最先端を追いかけていては大したことはできないことになっている。

重要な問題は置き去りにされている可能性がある。どこで見極めるかが大切。

たとえば、・量子力学の基礎となる代数系は観測理論を踏まえてファジーがよいのでは

・相対性理論と時間・空間の非対称性(時間の矢)など漠然と考えている

<面白かった本>

・常微分方程式 佐藤:自然の数理と社会の数理Ⅰ、Ⅱ

・難波:群と幾何学

・森口:応用数学夜話

・大学演習 応用数学Ⅰ

・一般書 I.Perterson : Mathematical Tourist

     小平:怠け数学者の記

     高木:数学文化史

・弥永昌吉:数の体系上・下

・弥永昌吉、杉浦光夫:代数学

・和田秀男:数の世界ー整数論への道

・山内恭彦:連続群論入門

・弥永昌吉・佐々木力編:現代数学対話

・井関他編:現代数学ー成立と課題ー

・犬井鉄朗:偏微分方程式

・吉田耕作:微分方程式

<2014年は「勉強の幕開け」>

・物理のページで述べたように、昨年12月、一般相対論の関する講演をする機会を得たのは誠に幸せでした。この機会を与えて頂いた大阪私学数学教育研究会に心より感謝致します。これをきっかけにかねてよりくすぶっていた勉強の心に火がついたように思います。

・そこへ日本数学協会主催の「新春特別講義ー素粒子と幾何学」というテーマの講演が東大で1月11日・12日の2日間開催されたのですぐ申込んで行ってきました。どれもこれもワクワクする内容でした。

「今年はもっとヤルゾ!」