4年前の2月、雪景色を求めて宇奈月温泉へ一人旅した。午後2時半頃到着し、ホテルでチェックイン後、街へ出た。ぶらぶら歩いていると雪がひどくなり、夕方ホテルに戻る頃には吹雪になっていた。
入浴後食事処に行くと閑散としていた。まかないの女中さんが「お客さん、今日は大雪になってキャンセルが相次いで、今夜のお泊りはお客さん一人ですよ。」とのこと。なんと8階建てのホテルに宿泊客は私一人。
なんとも不気味だ。夜、露天風呂に行くとライトアップされた周りの木々に雪がついてまことに美しい。
首まで浸かっていると程よく暖房の効いた部屋の中に裸でいるようななんとも心地よくいつまでも入っていられる。風呂から部屋に戻るときは一人でちょっと怖かった。翌日は、外は相変わらずの吹雪なので、エレベーターホールのソファを窓際に動かして、出窓に画材とシェリー酒とチーズ各種を置いて、大きなガラス窓越しに墨をすりながら太い筆1本で描いたのがこの絵である。
これは筆ペンでスケッチして、薄墨を塗り重ね、水溶性色鉛筆と水彩絵の具を併用して仕上げた。
バックは金絵具。
大船渡の仮設住宅へ、絵葉書にしたものをフレームに入れて送ったところ、談話室に飾ってくれてあった。
<スケッチ・高野山の仏像シリーズ (1)四天王・広目天(鎌倉時代 快慶作 於 高野山霊宝館)
4年ほど前の夏、高野山で数学の研究会が開かれた。昼間に高野山大学の先生に案内されて霊宝館に行ったときに快慶作の四天王と出会った。その素晴らしさに圧倒されて、翌日、研究会終了後、夕方まで残って2枚描いた。後日再訪して残り2枚を描いて四天王を仕上げた。筆ペンスケッチ+水墨